青葉工業会奨励賞受賞者(業績等)

 ◆ 平成26年度 第1回受賞者 ( 3名)

安 藤 淳 二 年  齢 満40歳
卒業・修了 機械システムデザイン工学専攻 博士課程 平成20年修了

勤 務 先 潟Wェイテクト(現在JTEKT North Americaに出向中)
Driveline Engineering Manager(主担当)
業  績 本研究科博士課程後期3年の課程に社会人として在籍し、同開発技術の 学術的基盤を確立するとともに、様々な高機能機械システムへの応用に つながる成果を挙げている。これらの業績により、経済産業大臣賞、文 部科学大臣発明奨励賞他、学協会から23件の表彰を受けており、工学 研究科卒業生として、産業界へ大きく貢献している。
小田桐 史 晃 年  齢 満40歳
卒業・修了 電気工学科 平成9年卒業

勤 務 先 東日本旅客鉄道
電気ネットワーク部(副課長)
業  績 東日本大震災の被害結果をもとにして、これまで電化柱に適用してきた 設計の概念にとらわれず高じん性補強の構造を確立しました。 また、施工手順の確立に向け多くの施工試験を行い、夜間の作業時間帯 内で可能な施工工法を確立しました。これらの業績は電気鉄道の 分野において大きく社会に貢献しました。
曽 根 孝 行 年  齢 満37歳
卒業・修了 建築学科 平成12年卒業
都市・建築学専攻 修士課程 平成14年修了
勤 務 先 樺|中工務店
技術研究所(研究主任)
業  績 建築構造物における崩壊挙動の予測や制振構造の解析手法の開発を行 い、民間会社の技術者・研究者として安心・安全な建築構造の実現に大 きく貢献している。これにより、大規模実験結果の再現を行うためにブ ラインド解析コンテストにおいて二度の表彰を受けている。



 ◆ 平成27年度第2回受賞者 ( 3名)

石 原 浩 一 年  齢 満34歳
卒業・修了 通信工学科  平成16年卒業
電気・通信工学専攻 修士課程 平成18年卒業

電気・通信工学専攻 博士課程 平成23年卒業
勤 務 先 日本電信電話株式会社
アクセスサービスシステム研究所(研究主任)
業 績 名 無線及び光ファイバ通信システムにおけるブロードバンド伝送のためのディジタル信号処理技術の研究開発及びその実用化
受賞業績 無線通信分野では無線LANに適用可能なマルチユーザMIMO技術を創出 し、世界初の1Gbit/s伝送を確立させた。また、光通信分野では光ファ イバ通信における周波数領域等化技術を確立し、100G光バックボーン NW用ディジタル信号処理LSIの開発・実用化を完了させた。これらの 業績は両分野のブロードバンド通信、ひいては社会の発展に大きく貢献 した。
乾   浩 一 年  齢 満41歳
卒業・修了 機械知能工学科 平成9年卒業
機械知能工学専攻 修士課程 平成11年修了


勤 務 先 トヨタ自動車株式会社
FC技術・開発部 プロジェクト推進G(主幹)
業 績 名 トヨタ初 量産燃料電池車「MIRAI」の開発 
受賞業績 低炭素社会実現への貢献が緊要とされているなか、自動車産業として、 その本命である燃料電池車の量産化に製品企画本部という全社を牽引す る立場で、チーフエンジニアと共に、その実務的展開の中心人物として 尽力し、量産化へ結びつけることに大きく貢献した。
森 安 健 太 年  齢 満34歳
卒業・修了 京都大学
機械システムデザイン専攻 博士課程 平成26年修了
勤 務 先 株式会社アシックス
スポーツ工学研究所フットウェア機能開発チーム(マネージャー)
業 績 名 耐滑性を有する高機能スポーツシューズの開発と事業化
受賞業績 シューズソールの耐滑意匠設計の指針を世界に先駆けて解明し、耐滑性 を有する高機能スポーツシューズの開発と実用化に成功している。これ らの功績により、森安氏は、スポーツ工学分野の第一人者として、産業 界のみならず学協会含め、社会的に高い評価を得ている。



 ◆ 平成28年度 第3回 受賞者 ( 4名)

浦 田 顕 理 年  齢 満 42 歳
卒業・修了

知能デバイス材料学専攻 博士課程 2014(H26)年修了
勤 務 先 NECトーキン
材料研究開発本部(マネージャー)
業 績 名 超低損失軟磁性材料(アモルファス金属:金属ガラス、ナノ結晶)の開発と実用化
受賞業績 新規な超低損失軟磁性金属ガラス合金「センティクス」を開発した。さらに、センティクスの粉末を用 いることで、超低損失チョークコイルの実用化に成功した。また、金研の牧野教授が開発した高い飽和磁束密度を有する軟磁性ナノ結晶材料「ナノメット」を用いたモーターコアの開発に成功してい る。NEDO のプロジェクトにも参画し、小型・高効率モーターの開発に寄与している。出願済み特許も、56 件(国内)、49 件(国外)ある。
木 村 啓 明 年  齢 満 41 歳
卒業・修了 電子工学科 1998(H10)年卒業

勤 務 先 ローム
LSI 商品開発本部基幹テクノロジー開発部(技術主査)
業 績 名 強誘電体デバイスを用いた不揮発ロジックの先駆的研究とその実用化
受賞業績 ロジック LSI の低電圧駆動と待機電力の実質ゼロ化を図る研究開発に取り組み、高信頼性不揮発ロジ ック LSI の量産化を世界で初めて成功させた。まず強誘電体デバイスを既存のロジック回路に組み込 み適合させるために動作電圧をロジック回路と同等の 1.5V にまで低減させ、データ保持の際の電力 供給を不要とした。続いて数 100mV の微弱な電源電圧に対する動作耐性を保護回路技術により確立 し高信頼化を図った。これらの成果は、モバイル機器向け制御IC等の省電力LSIに実用されているこ とに加え、心拍センサなどの生体センシング向け不揮発 CPU としてヘルスケア分野のデバイス開拓 にも繋がっており、産業市場の発展と創出に大きく貢献した。
佐久間 克 幸 年  齢 満 42 歳
卒業・修了 機械知能工学科 1998(H10)年卒業
機械知能工学専攻 修士課程 2000(H12)年修了

勤 務 先 IBM T.J. Watson Research Center
Micro-Systems Technology & Solutions; Healthcare Life Sciences(Research Staff Member)
業 績 名 半導体三次元集積化技術の開発と産業実用化への貢献
受賞業績 半導体集積回路の超高密度三次元実装技術に関し、チップスタック技術や一括多層積層技 術等数々の最先端電子実装分野で革新をもたらす新技術を発明・提案し、現在の半導体・ 実装技術並びにエレクトロニクス産業界の発展に大きく貢献した。
水 野 大 輔 年  齢 満 42 歳
卒業・修了 材料加工学科 1997(H9)年卒業
金属工学専攻 修士課程 1999(H11)年修了
知能デバイス材料学専攻 博士課程 2014(H26)年修了
勤 務 先 JFEスチール スチール研究所 界面科学研究部(主任研究員)
業 績 名 最適防錆設計による環境に適した鉄鋼製品の利用拡大・普及促進
受賞業績 鉄鋼会社に入社後、家電品向け表面処理鋼板の腐食試験法の開発を担当し、環境に適合したク ロメートフリー鋼板の開発に貢献した。また、開発した腐食試験法は、ISO として国際規格化され ている。また、世界各地の自動車の腐食を調査し、亜鉛系メッキ鋼板の耐食性を予測する方法を 開発している。日本鉄鋼協会の委員会代表として NACE(米国腐食技術者協会)の規格にも貢献 している。



 ◆ 平成29年度 第4回 受賞者 ( 3名)

岡 田 美 香 年  齢 満 36 歳
卒業・修了 材料物性学科 2004(H16)年卒業
材料システム工学専攻 修士課程 2006(H18)年修了

勤 務 先 大口電子
インク材料部技術課(課長)
業 績 名 近赤外線遮蔽微粒子(セシウム酸化タングステン)の用途開発
業  績 2006年に住友金属鉱山(株)に入社して以来、同社の研究所にて仕事をしてきたが、2011年以降、同社が開発した近赤外線遮蔽機能を有するセシウム酸化タングステン(以下CWO)微粒子の用途開発に携わり、2015年からは、CWO微粒子の量産を担当する関係会社である大口電子(株)に出向し、CWO製品の普及、拡販に大きく貢献した。具体的には、自動車や建築物の窓に用いられる日射遮蔽貼付フィルムや日射調整合わせガラス、太陽光による温度上昇を抑制できる樹脂ガラス、ハウス栽培に適した農業フィルムなど、次の柱となる事業の確立に多大な貢献をした。
小 川   賢 年  齢 満 38 歳
卒業・修了 通信工学科 2002(H14)年卒業
電気・通信工学専攻 修士課程 2004(H16)年修了
電気・通信工学専攻 博士課程 2007(H19)年修了
勤 務 先 鞄本触媒
事業創出本部研究センター(アシスタントシニアリサーチャー)
業 績 名 水系蓄電池用イオン伝導性フィルムの開発
業  績 環境に優しい安価な二次電池の実現に必須なイオン伝導性フィルムの開発に成功した。汎用されているニッケル水素電池に対して高い蓄電性能を有するニッケル亜鉛電池は、高安全型水系蓄電デバイスとして有望である。しかしながら、充放電を繰り返すと負極表面に亜鉛が針状析出し短絡を引き起こす課題があった。同氏は、水酸化イオンを通し亜鉛酸イオンを通さないアニオン伝導層を有機/無機複合材料を用いて実現し、これを負極上に配置することで、針状結晶の成長を抑制した。本技術は水系蓄電池のサイクル寿命を大幅に延長する基盤技術であり、スマートエネルギー社会への貢献が大いに期待される。
富 樫   昇 年  齢 満 38 歳
卒業・修了 土木工学科 2002(H14)年卒業
土木工学専攻 修士課程 2004(H16)年修了

勤 務 先 鹿島建設
技術研究所土質・地盤グループ(主任研究員)
業 績 名 最終処分場建設工事における底部盛土の設計と課題に対する対策
業  績 日本各地で問題となっている最終処分場建設において,地下水質への影響に配慮し、良質な現地発生土のみを用いた盛土構造を提案し、環境に配慮かつ盛土要求性能を満足した先進的な土木技術を実現した。このために実験と観測を粘り強く繰り返すことによって、廃棄物の埋め立て荷重による盛土の沈下を抑制させる変形性能の管理を可能とした。対象施設は熊本地震による影響も無く、また、環境拠点として地域と調和した世界も注目する施設となっている。その成果として様々な表彰を受けている。



 ◆ 平成30年度 第5回 受賞者 ( 3名)

須 田 理 央 年  齢 満 42 歳
卒業・修了 機械知能工学専攻 修士課程 2001(H13)年修了
機械知能工学専攻 博士課程 2004(H16)年修了

勤 務 先 トヨタ自動車
シャシー制御開発部第1シャシー制御開発室(グループ長)
業 績 名 意のままの走りと車両安定性を世界初の制御技術で両立させたLDH※の開発
                                  ※ Lexus Dynamic Handling
業  績 入社以来一貫して車両運動制御の技術開発に携わり、ドライバの感性の定量的な性能としての理解と制御理論に基づいた新しい制御アルゴリズムにより、車両挙動の安定化と運転者の違和感の低減を両立するためのステアリング、駆動力、ブレーキの統合制御の鍵を握る前輪と後輪のアクティブ制御技術を開発した。この技術は、昨年発売されたレクサスLC500/LC500h においてレクサス・ダイナミック・ハンドリングシステムとして製品化され、安全と自動車を操る楽しさを両立する新しい制御システムとして大いに期待されている。
槙   智 仁 年  齢 満 39 歳
卒業・修了 材料物性学科 2003(H15)年卒業
材料物性学専攻 修士課程 2005(H17)年修了
電子工学専攻 博士課程 2012(H24)年修了
勤 務 先 日立金属
磁性材料カンパニー磁性材料研究所(研究員)
業 績 名 Nd-Fe-B 系永久磁石における新規な性能決定要因解明手法の開発と高性能化
業  績 永久磁石の組織と磁性の関係として従来から知られていた結晶粒径のみでなく粒子集団の磁区構造変化が重要であることを世界に先駆け明らかにした。また、走査顕微鏡による組織観察、結晶方位解析および磁界中その場磁区観察を同一視野で行う統合解析手法を開発した。この手法により長年未解決であった世界最強のNd-Fe-B 系磁石保持力の決定要因を明らかにした。また、これらの手法を駆使して、省重希土類元素Nd-Fe-B 系磁石の開発にも従事し、従来よりも微結晶かつ高密度な焼結磁石や軟磁性粉末との複合磁石を開発した。これらの成果は学会からも高く評価され、同分野の発展に貢献している。
渡 邉 竜 一 年  齢 満 42 歳
卒業・修了 建築学科 1999(H11)年卒業
都市・建築学専攻 2001(H13)年修了

勤 務 先 ネイ&パートナーズジャパン
(代表取締役)
業 績 名 出島表門橋および架橋プロセスのデザイン
業  績 長崎市が進める出島復元整備事業の中で、河川内に橋脚を設けないというコンセプトをもうけ、片側で33.3m を支えるという長崎・出島にしかない独創的な橋を実現した。更に、市民を巻き込んだコミュニケーションを継続して実施しながら、設計?運搬〜架橋〜完成までの一連のプロセスを設け、完成後も2 週間に一度市民がメンテナンスする活動を継続し、街の資源として橋への愛着醸成へつなげた。この成果が認められ、ベルギー鋼構造大賞、土木学会土木広報大賞準優秀賞、グッドデザイン賞など数多くの受賞を得ている。



 ◆ 令和元年度 第6回 受賞者 ( 3名)

遠 藤   肇 年  齢 満 42 歳
卒業・修了 生物化学工学科 2000(H12)年卒業
化学工学専攻 修士課程 2002(H14)年修了
化学工学専攻 博士課程 2005(H17)年
勤 務 先 三井化学株式会社
生産技術研究所生産・技術企画部プロセスシステム技術グループ(主席部員)
業 績 名 生産能力向上と安全性確保を両立した反応器の設計
業  績 発熱量の大きな物質の増産ニーズに応じ、反応器の設計を行った。生産量と、安全性確保のポイントである除熱性能は、トレードオフの関係にある。除熱性能を確保しつつ生産能力を向上させる設計を先進技術である流体解析で実施し、実際の設備に採用された。当該反応器は問題なく安定稼働し、会社の収益向上に大きく貢献した。
大 谷 良 行 年  齢 満 41 歳
卒業・修了 金属工学科 2001(H13)年卒業
金属工学専攻 修士課程 2003(H15)年修了
知能デバイス材料学専攻 博士課程 2013(H25)年修了
勤 務 先 株式会社UACJ
R&Dセンター(室長)
業 績 名 アルミニウムの耐食性評価方法の確立と標準化
業  績 アルミニウムの腐食防食研究を担当し、アルミニウムの促進腐食試験における酢酸の腐食促進効果の定量的解明を通し、アルミニウムの耐食性評価に関して、慣例的に使用されてきた腐食促進剤である酢酸の効果を電気化学的に明らかにし、腐食試験結果の再現性向上、防食設計のための自然電位測定方法の原理解明などに大きく寄与した。さらに、得られた成果の展開として、業界規格(LIS)、ISO規格など標準化に取り組み、業界へ貢献している。
國府田 まりな 年  齢 満 32 歳
卒業・修了 建築・社会環境工学科 2010(H22)年卒業
都市・建築学専攻 修士課程 2012(H24)年修了

勤 務 先 株式会社竹中工務店
大阪本店設計部構造部構造1グループ(構造設計担当)
業 績 名 CLTパネルを用いた建物の設計手法の開発による木材利用の拡大・普及促進
業  績 CLT(Cross Laminated Timber)は、日本においても国土交通省や林野庁により活発な普及促進が行われている。一方で、CLTパネルを利用する建築においては、構造設計および耐火性能の確保における自由度が低い。そのため、多様な建築設計の要求に対しては、柔軟に対応できる構造技術が必要である。候補者は、これらの要求に応える実施設計とともに複数の技術開発にも携わり、木材利用の拡大・普及促進に貢献している。実施設計に携わった、竹中研修所匠新館、および、兵庫県林業会館は、木材利用優良施設コンクール農林水産大臣賞、林野庁長官賞などを多数受賞している。



 ◆ 令和2年度 第7回 受賞者 ( 2名)

大 石 悠 佑 年  齢 満 36 歳
卒業・修了 金属工学科 2007(H19)年卒業
材料システム工学専攻 修士課程 2009(H21)年修了

勤 務 先 トヨタ自動車株式会社
素形材技術部(主任)
業 績 名 TNGAエンジンの低燃費と高出力に必要な高速燃焼を実現させるレーザクラッドバルブシート量産化技術開発
業  績 入社以来、エンジンやトランスミッションなどのパワートレーン系部品の生産準備業務 にして従事して来た。 なかでも、 Toyota New GlobalArchitecture (TNGA) をベースとした新しいエンジンの主要技術として採用されたレーザクラッドバルブシートに関する技術開発では、 耐摩耗性に優れる新しい材料とレーザー肉盛技術の開発を行なっている。 また、その量産化技術も確立し、国内工場だけでなく、 海外工場においても安定して生産できるようにし、TNGA の世界展開に大きく貢献している。
西 畑 ひとみ 年  齢 満 42 歳
卒業・修了 材料加工学科 2001(H13)年卒業
材料加工プロセス学専攻 修士課程 2003(H15)年修了
材料システム工学専攻 博士課程 2016(H28)年修了
勤 務 先 日本製鉄株式会社
技術開発本部先端技術研究所基盤メタラジー研究部(主幹研究員)
業 績 名 自動車用鋼板の溶接技術開発を通じた高強度鋼利用拡大への貢献
業  績 入社以来自動車用鋼板の溶接技術開発に携わり、中空部品とパネルを接合する片側スポット溶接技術開発の他、鋼とAlの異種金属接合、中炭素鋼の接合など車体軽量化の鍵となる接合技術開発に注力した。主に抵抗スポット溶接や摩擦攪拌点接合を対象とし、接合部の形成過程へのプロセス因子の影響解明を通じ、適正な継手品質を確保するためのソリューションを提案することで、各接合法の利用拡大と継手信頼性の向上に貢献した。また、超高強度鋼板やそのめっき鋼板に関し、車体製造における溶接課題の解決に協力し、軽量化に欠かせない超高強度鋼板の利用拡大にも貢献してきた。現在は基礎研究分野にフィールドを移し、組織制御の基盤である相変態現象の解明に取り組んでいる。



 ◆ 令和3年度 第8回 受賞者 ( 2名)

間 曽 利 治 年  齢 満 39 歳
卒業・修了 材料物性学科 2005(H17)年卒業
材料システム工学専攻 修士課程 2007(H19)年修了

勤 務 先 日本製鉄株式会社
技術開発本部鉄鋼研究所高炭素鋼材研究部(主幹研究員
業 績 名 特殊鋼棒線材の疲労強度・切削加工性向上技術の開発
業  績 入社以来、主に自動車部品に使用される特殊鋼棒線材の疲労強度、切削加工性の向上技術の開発に取り組んでいる。例えば、自動車用材料の疲労強度に及ぼす合金元素の影響を明らかにすることなどを通じて強度向上のための指導原理を示すことで、特殊鋼部品の高強度化技術の発展に大きく貢献している。また、有害物質である鉛を使用せずとも優れた切削加工性能を示す非鉛化鋼材の商品展開に携わっており、社会の環境負荷低減に貢献している。
高 島    亨 年  齢 満 41 歳
卒業・修了 機械知能工学科 2003(H15)年卒業
応用情報科学専攻 修士課程 2005(H17)年修了
勤 務 先 トヨタ自動車株式会社
先進シャシー開発部(グループ長)
業 績 名 ステアバイワイヤにおける持ち替えなしを前提としたステアリング制御の開発
業  績 量産車としては世界初となるステアリングホイールと前輪タイヤに機械的結合がないリンクレスステアバイワイヤシステムにおける車両運動制御技術を開発している。また、将来の自動運転時に室内空間を広く確保が可能なハンドル格納を想定した丸型ではない異形ステアリングホイールを用いて、ドライバーの自然な操舵フィーリングを実現しつつ、ステアリングを持ち替えずに全車速域でタイヤを最大転舵角まで転舵させることが可能な技術を開発している。



 ◆ 令和4年度 第9回 受賞者 ( 1名)

林 崎 秀 幸 年  齢 満 39 歳
卒業・修了 生物化学工学科 2007(H19)年卒業
化学工学専攻 修士課程 2009(H21)年修了
化学工学専攻 博士課程 2019(H31)年修了
勤 務 先 日本製鉄株式会社
技術開発本部プロセス研究所製銑研究部(課長)
業 績 名 劣質石炭資源の有効活用および高炉でのCO2削減に向けた高強度コークス製造技術の開発
業  績 入社以来、主にコークス強度支配因子の解明とそれに立脚した高強度コークス製造技術の開発に従事している。劣質石炭資源の使用拡大および高炉の安定・高効率操業によるCO2削減の達成には、強度の高いコークス製造技術が求められる。まず、コークス強度支配因子の解明について、高炉内でのガス化反応に伴うコークス強度の低下は、微視組織の機械的性質よりも、気孔構造の変化が支配的であることを明らかにした。さらに、コークス製造工程におけるコークス中の気孔形成過程の観察手法を確立し、気孔構造の制御には、気孔の成長に必要な石炭熱分解ガスおよび石炭中の溶融成分の量を、石炭配合条件の調整や粘結補填材などの添加物の使用によりコントロールすることが重要であることを見出した。これらの業績は、日本鉄鋼協会研究奨励賞、日本鉄鋼協会俵論文賞を受賞するなど高い評価を得ている。